今回はITILのサービス・サポートのうち、インシデント管理について解説します。

 インシデントとは定常的な運用の一部ではない、サービスの質を低下させる事象のことを指します。
 インシデント管理の基本は、サービスデスクに対して寄せられるさまざまな問題に対してビジネス上の悪影響をできるだけ少ない形で迅速に対応することです。

  発生したインシデントに対してサービスデスクはまず初期対応が可能かどうかを判断します。初期対応ができない場合には、専門の要員が対処することになりま すが、それぞれのインシデントに対して誰がどのような状況で対応しているのかについて把握し、問題解決が終了するまで管理を続けるのもインシデント管理の 範疇です。

 ITILでは インシデント管理のほかに問題管理という項目も設定しています(問題管理については後述)。
 問題管理では根本的な問題の発生原因を特定し、それによる影響を最小限にするという視点に 立っています。これに対してインシデント管理は、発生したインシデントに対してサービス継続という立場からできるだけ早く定常状態に戻すことに力点が置かれています。
 インシデント管理の具体的な項目としては、インシデントの検知・記録、インシデントの分類、インシデントへの初期対応、調査と診断、解決と復旧、インシデントの監視・追跡といったものがあります。

 インシデント管理の成熟度は、ランニング・コストの変動要素となります。成熟度が高ければ標準コストに対してマイナスの効果(コスト削減効果)をもたらします。

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